
ユニバーサル(Universal)とは普遍的な、全体の、という言葉で、「すべての人が安全で使い勝手が良く、かつ高価ではないよう工夫されたデザイン(Design)(本来あるべき設計・構想)」と要約できます。
平成14年12月24日の「障害者基本計画」閣議決定で、「障がいの有無、年齢、性別、人種等にかかわらず多様な人々が利用しやすいよう、都市や生活環境をデザインする考え方」と位置づけられました。
この考えは、ノースカロライナ州立大学のユニバーサルデザインセンター所長であったロナルド・メイス(1941-1998)氏が、1985年に提唱したものです。
従来の障がい者対応であるバリアフリーデザインとよく混同されるところですが、バリアフリーデザインは、加齢による身体機能低下や、要介護の高齢・障がい者の衰えた身体機能にとって、生活上必須の対応なのかどうかが判断基準です。
ユニバーサルデザインは、さらに範囲の広い人々(たとえば子ども、外国人、怪我をしたひと、妊婦の方々でも)にとって、製品、建物、空間などを、はじめから使いやすく安全で快適な生活環境につくられている、「全てのひとに良いデザイン」と言えます。
目指す観点は「障がいのない世界を築く」ことです。そのために、次の7つの原則が示されています。
The Center for Universal Design, NC State Universityによる HYPERLINK
"http://www.design.ncsu.edu/cud/about_ud/udprinciples.htm"
"http://www.design.ncsu.edu/cud/about_ud/udprinciples.htm"
2007年問題が取りざたされる今日です。HP表紙にありますポスター「ジコ」が示すように、4人に1人が65才以上の高齢者となる時代はもうそこまで来ています。これからは、「いまもこれからも使いやすく、3世代同居でも安心して快適に暮らせる家づくり」の視点で、ユニバーサルデザインハウスの空間づくりがさらに求められていくでしょう。
当協会は、こうした理念の住まいづくりを目指し、自主基準作りの研修会を開催しました。愛知県春日井市会員の新築体感ハウスを実際の研修現場にして、参加者約50名がUDハウスのチェックポイントを確認いたしました。
前・松浦勝翼理事長がそのチェックポイントについて実例指導し、参加者は実際の現場実習で学ぶことができたのです。
この研修をきっかけに、工務店とユーザーが相互に自宅のユニバーサルデザイン度を確認できるよう、「ユニバーサルデザインハウスワークシート」のプロジェクトを発足。1年をかけて開発・発刊の運びとなりました。ユニバーサルデザイン・ハウスの基準を業界初で開発したものです。
その発刊記念研修会を、2008年2月21日、大阪「じばしん」にて開催いたしました。 名古屋工業大学工学部教授・守明子氏(工学博士)もお招きし、「少子高齢社会における生涯住宅の意義と生産者の社会的責務」と題する記念講演を行いました。 守教授は、専門の建築生産学の立場から、生涯住み続けられる住宅の必要性と社会コストへの影響について言及。「加齢に伴う身体機能の変化があっても、ユニバーサルデザインを取り入れた安全・安心・快適な自宅があり、そこで最後まで自己決定権の確保と継続を保ちつつ暮らせれば、余計な施設入所費は要らない。施設建設費も当然要らず、社会コストが低減できる。そうした生涯住宅の整備による介護費用軽減効果は大きい」と提言されました。 また、「だからこそ、建築生産者である工務店の活躍が期待される。そのとき、忘れてならないのは、人間が中心にいるのか、そして幸せかということ。これからは、健常者と障害者を線引きするバリアフリーデザインより、ユニバーサルデザインを取り入れた住まいづくりが、メンテナンスフリーを可能とする長寿命住宅に必要」とも。 このUD・Hワークシートは、ありそうでなかった業界初の設計基準です。これを設計段階からお客様と工務店が双方チェックし、また、建ててからの満足度も確認するワークシート。この考え方で住宅を建てることが、社会コストを減らすばかりでなく、ひとを幸せにする生涯住宅づくりにつながることを、認識していただければ幸いです。
我が家をユニバーサルデザインで建てたいとお思いのお客様は、ぜひお近くの会員工務店にお問い合わせください